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2006年6月 Archive
2006/06/10
[ Car, Movie ]

〔Heart of a BMW〕

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〔Performance〕

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2006/06/10

無限なるものは、ふたつあります。

それは、宇宙と、人間の愚かさ。

もっとも、前者については、断言できませんが。

アルバート・アインシュタイン0xF9CD

 先日の投稿の続きです。

#さいきん、タイトルとはだいぶ離れて、かなりポリティカルな薫りが。0xF9C7

 まずは、とあるご高名なお二方のご発言から。

〔A氏のご発言〕

  ・どうも、競争とか再編とかいうと、とても怖くて、痛みが伴うような感じがある。弱肉強食になって、外から叩かれるイメージが独り歩きしている。しかし、それは違う。日本はこれまで、競争によって強くなってきた。なにも特別なことはない。

  ・残念なことに、いまの世の中には、不公正な競争がある。なにかちょっと政治家に頼んで、発注をしてもらったり、利権を活用して不当利益を得たりする。これでは困る。

  ・いま、正直な人間が報われていない。利権に守られ、本来なら民間でできることを、お役所仕事でぬくぬくやっている部分がある。

  ・5年後、10年後、正直者が報われる社会にしたい。自助自立の経済をつくりたい。自分のことは自分でやろう。自分で自分を支える社会になろう。本当は援助の必要はないのに、弱者を装ってきただけの人間が多かった。そういう人たちには、やはりきちんと頑張ってもらわねばならない。みんな、頑張っているんだから。

  ・変化することには、常に抵抗や反発がある。だが、そこを乗り越える過程には、喜びや感激がある。変化を積み重ねることで、社会は豊かになり、便利になるのです。

〔B氏のご発言〕

  ・いま日本は、「変わらないために競争しない」という、極めて不自然な社会になっている。徹底的に、堰を崩さなければならない。規制緩和も、その作業の一つだ。

  ・消費者が主権を持ち、売り手が懸命に努力する社会。それが実現しなければ、日本は衰退する。ただ、それだけのことです。

  ・いまこそ、考えてほしい。国の衰退は、容易に起こるということを。アルゼンチンは、第二次大戦後は南米屈指の豊かな国だった。ところがいま、存亡の危機にある。

(下線部は、筆者追記)

 一読すると、実にシュアーなことを仰っているようにみえます。

 お二方のご発言を総合すると、「いまの世の中は、不公平な競争がある。だから、(何が何でも)徹底的に規制を撤廃しなければならない。そうすれば、正直者が報われる、豊かで便利な国になる」となるでしょうか。

#ただし、それは、ある条件下でのみ達成しうるもので、仮に達成できたとしても、その結果は、およそ「豊かで便利な国」とは掛け離れた、殺伐としたものとなるのです。(後述)

 ここでいう、A氏とは、総務大臣・郵政民営化担当の竹中平蔵氏(当時、首相諮問機関「IT戦略本部」メンバー)のご発言で、
 B氏とは、オリックス取締役兼代表執行役会長・グループCEOの宮内義彦氏(当時、首相諮問機関「IT戦略本部」メンバー、「IT関連規制改革専門調査会」座長、現「規制改革・民間開放推進会議」議長)のご発言です。

(いずれも、「アエラ臨時増刊『大再編に負けない-こうなる、こう変わるあなたの業界』(2002年3月20日号)より抜粋)

 さて、このお二人のご発言から4年以上が経過した現在、「正直者が報われる社会」になりつつあるといえるでしょうか?

 先ごろ、「モノ言う株主」というよりは、「金にモノを言わせる仕手師」みたいな方が、1時間20分間も一方的にペラペラ喋りまくった挙げ句、あえなく御用になりましたが、世の中の状況としては、4年前より悪化しているように思えます。
(あの会見は、近年まれに見る、一大エンターテイメントでした)0xF9D1

#ちなみに、「M&Aコンサルティング」設立当時の運用資金の大半を出資し、その後のファンド拡大の後ろ盾となったのは、現「規制改革・民間開放推進会議」議長とされています。
(仕手師が捕まっちゃったら、無情にも知らんぷりみたいですけど。まぁ、カネの繋がりなんて、そんなもんです)

#さらに、驚くべきことに、「ソフトバンク」の事業報告書には、社外取締役として、現「規制改革・民間開放推進会議」議長のお名前が。
(「通信・放送の融合」で、各キャリアがガップリ四つの激論を交わしている時に、コンペティターの取締役に、本来、公平中立であるべきのはずの議長殿が納まっていたとは)

#さらに^2、前述の事業報告書には、やはり社外取締役として、日本マクドナルド会長兼最高経営責任者(当時、代表取締役社長)のお名前が。この会長が、日本マクドナルドの公開前に、自社株1,500株を手渡していたのが、何を隠そう、現「総務大臣・郵政民営化担当」なのです。
(同大臣(当時は入閣前の私人。ただし、政府の主要政策会議のメンバーに選任中)は、この店頭公開による株価上昇により、巨額の利益を得ていたとされています。これに対する、木で鼻を括ったような「国会答弁書」)
(なお、質問している政党と、私のポリティカリティーとは、何ら関連がありません。単なる情報ソースです)

(いや~、いつか書こうと思ってたんです。皆さん、仲良し子良しのオトモダチ同士だったのですね~)0xF9D1

(というか、国民に苦痛を強いておきながら、ご自身は“濡れ手deアワ~”だなんて。たしかに、「正直な人間が報われていない」世の中ですね。みょ~に納得)0xF9D1^2

 ところで、その議長殿が引き合いに出された「アルゼンチン」ですが、どのような理由で「存亡の危機」に陥ってしまったのでしょうか。ここで、以前に少しお話しした、“シカゴ・ボーイズ”たちのご登場となる訳です。

 “シカゴ・ボーイズ”とは、シカゴ大学経営学部のミルトン・フリードマン教授のゼミで学び、世の中に輩出された卒業生たちのことを指します。その多くは、アメリカ政府のみならず、世界銀行、IMF(国際通貨基金)など、世界レベルでの金融・財政政策を策定していく重要ポストに就いています。

 その教義は、経済学部の方からは怒られてしまいそうですが、いくつかの情報ソースから、工学部のアタマで情報圧縮すると、

  ・もし経済活動がうまく行っていないのであれば、それはどこかに規制が入っていて、公平な競争を阻害しているからである。
  ・規制を取り払い、自由競争を推し進めれば、必ず市場は(アダム・スミスのいう“神の見えざる手”によって)健全なる成長を果たすことができる。

というものです。
(ちょっと圧縮しすぎか)0xF9C7

 いずれにしても、まるでどこかで聞いたようなフレーズです。

 ミルトン・フリードマン教授は、フリードリヒ・アウグスト・フォン・ハイエク教授らと共に、ケインズの経済理論を批判し、市場経済を擁護、推奨しました。(後に、お二方とも、ノーベル経済学賞を受賞)
 その理論は、「新古典派経済学」などと言われ、アメリカや、アメリカかぶれのエコノミストどもにもてはやされています。

 一言で言えば、「自由放任主義」です。

 その教義を骨の髄まで叩き込まれた“シカゴ・ボーイズ”たちが、巨額の債務にあえぐアルゼンチンに対して何をしでかしたかというと、自由化・グローバル化という名の下での「徹底的な規制撤廃」です。

 ここら辺の事情は、グレッグ・パラスト著の「金で買えるアメリカ民主主義(アメリカ改訂版)」の第四章、「レクサスを売れ、オリーブの木を燃やせ!」にて、詳しく述べられています。
(かなりの活字量なので、読むのに少し難儀しますが)

#奇しくも、このグレッグ・パラスト氏は、ミルトン・フリードマン教授のゼミの出身者(すなわち、“シカゴ・ボーイズ”の一人!)ですが、世界銀行やIMFのおぞましい暗部を目の当たりにし、新古典派経済学者として金融・財政政策を策定していく道に背を向けて、調査報道記者に転身した数奇な方です。

#ちなみに、「レクサスを売れ、オリーブの木を燃やせ!」とは、もちろん、「レクサスとオリーブの木」(トーマス・フリードマン著)のアイロニーです。

(以下、まだ編集中)

 このまま、思考停止状態の“学者さん大臣”に率いられたままだと、“濡れ手deアワ~”の件が如実に表すように、「正直者が報われる社会」どころか、ますます「正直者がバカを見る社会」になっていきそうです。0xF9CA

 先日の投稿の続きです。

 たびたび参照させていただいている、この方のblogから。

ときは今、天が下しる、五月哉
(2006年6月6日:ITmedia +D blog)

 志すらなくても自分の思い通りに政策を作りたがる政治家や学者。いずれ歴史の中で再評価される日が来る。大馬鹿者として。昔ならば政治家になるのだって大変だったという。家族ぐるみでの選挙活動がいかに大変かは、昔ながらの友人のエピソードを聞くだに思う。とても自分にはできない。

 テレビがお手伝いをしたら簡単に有名になれるので、選挙活動をせずに政治家になれる。それに続くには大学教授の地位を手に入れ、テレビのコメンテーターになることだ。専門は関係ない。その週のニュースが幼児殺害であっても、ただのネタとして神妙にコメントを述べる。そんな姿勢を嘘っぱちだと糾弾する声も小さい。そして、講師の身分から頑張りもせず、誰もが中途採用の教授になりたがる。

 「消費者の視点」は格好良いセリフだが、出したプランは経済学者の案でしかない。ラジオを楽しみにしている人、離島でBSしか見られない人、そうした声の小さなところを平気な顔で踏み潰していく。昨夜の村上代表の話の方が余程、人間味もあり頷けるところもあった。

 ネット時代は人間のコミュニケーションを全て変えてしまった。匿名で他人の悪口を書いて喜んでいる人間が、大人の在り方として許されていたら、将来を担う子供のためにもならない。本当に何の志もなく、気分がせいせいしているのだろうけれども、そんなところで満足できてしまうから、国はバカを相手の施策をうち続けることができる。今はネットという発言場すら与えておけば、そこでガス抜きが出来てしまう。情けない国になってしまった。

 実名を出さないのは、会社での立場があるからというが、昼日中からネットの書き込みなどしている人間に、会社での重要な立場など永遠に与えられ得ない。卑怯者が正論らしきことを述べているのを見ると鳥肌が立つ。何よりも、そんな人間が社会でのうのうと生きていることに腹が立つ。卑怯者が胸を張って生きられるから幼児殺害が増える。

 「評価は他人がする、満足は自分がする」という言葉がある。そのものだろう。卑怯なる人を指差して「卑怯者だ!」という声がいずれは出るに違いない。卑怯者は紙媒体は読まないようだ。それならば続きは紙媒体で書くだけだ。以上。インターネットは亡国のメディアに成り下がってしまった。

 いやはや、ワイン0xF9FBでいうと「Very Dry」って感じですか。0xF9C7

竹中懇 独自路線貫く
(2006年6月7日:Yomiuri Online)

 竹中総務相の私的懇談会「通信・放送の在り方に関する懇談会」(竹中懇)が6日にとりまとめた最終報告書は、1日に示された座長案に比べ、NHKのチャンネル削減対象を明記するなど、より踏み込んだ内容となった。(田中左千夫、清岡央)

 その結果、通信・放送改革について、すでに報告書を公表している自民党の小委員会との見解の違いが際立つ形となった。今後、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針(骨太の方針)」がとりまとめられる7月上旬に向け、自民党との調整は難航が予想される。

 竹中懇の最終報告と自民党の通信・放送産業高度化小委員会(委員長・片山参院幹事長)で見解が異なるのは、NHKとNTTの改革案についてだ。

 NHKのチャンネル数削減をめぐっては、自民党は「各チャンネルが果たしている役割を十分に検証する必要がある」との観点から、削減数の明示を見送るように再三、説得したが、竹中懇はFM放送と衛星放送の計3チャンネルを2011年までに削減する具体案を示した。

 また、NTTの組織改革やNTT法などの改正は、自民党が2010年ごろに検討すべきとしているのに、竹中懇の報告書は、速やかに検討を始め、2010年までに持ち株会社廃止などを実現するように求めている。

 最終報告書が、自民党との妥協を避けて、独自性にこだわった背景には、竹中総務相の閣内での影響力低下を見透かすように、自民党側が発言力を強めていることへの抵抗があるとみられる。

 竹中総務相は6日の最終会合後の会見で「与党と意見を調整していきたい。個別の問題には隔たりがあり、議論を重ねて政府・与党の合意できる点を見いだしていきたい」と語ったが、自民党は「最終的にどうするか決めるのは国会だ」(片山氏)と、与党主導との姿勢を崩していない。

国民の視点ない

 服部孝章・立教大教授(メディア法)

 「『国民の視点で議論する』と言っておきながら、通信と放送の経済的な環境を見ただけで、国民の視点がどこにもない結論だ。『NHKの肥大化』と言うが、衛星放送もFMラジオも、行政や国会が認めたもので、NHKが勝手にやってきたわけではない。肥大化を言うのであれば、行政や国会の責任も論じるべきだ。有識者が8人も集まったのに、少数意見への配慮も欠けていた」

議論 わずか5か月

 竹中懇は、今年1月下旬からわずか5か月間の議論で、通信・放送の抜本改革について最終報告をとりまとめた。

 しかし、NHK、NTTという巨大な組織の抜本改革にとどまらず、通信、放送、著作権など様々な法律にまたがる複雑な問題に一定の結論を出すには、十分に議論が尽くされたとは言えない。

 松原座長は竹中懇の狙いについて当初、「国民の視点から通信・放送の在り方を検討する」と説明していた。

 しかし、実際には、懇談会は、関係業界からのヒアリングを行った2回を除いては、非公開で行われ、詳細な議事録も公開されていない。

 松原座長や竹中総務相の懇談会後の記者会見の内容と、発言者が明記されないA4判で2枚の議事要旨が、総務省のホームページで公開されるだけだ。

 政府の税制調査会などの諮問機関は議論が公開されている。議事録は発言者も明記した詳細なもので、運営方法は原則公開が時代の流れだ。

 竹中総務相周辺は「議論の途中で委員の意見は変わることもあり、自由な議論を確保したい」と説明したが、「密室での議論」(民放幹部)との批判はくすぶり続けた。

 イギリスでは、英国放送協会(BBC)の事業内容を規定する特許状の更新にあたり、3年近くを費やして数千通に及ぶ国民の意見書や、放送局の独立規制機関や議会の調査書や勧告書などを集約して政府の報告をとりまとめた。

 通信・放送全般の改革をめぐる議論は、NHK、NTTなど当事者ばかりでなく、テレビの視聴者である国民、NTTの株主など多くの関係者の意見が集約されたうえで、とりまとめられるべきものであるはずだ。

 それが、わずか5か月間の議論では、拙速との批判は免れないだろう。(石井誠)

 ってことで、テレビ出演のお好きな“御用学者”さんは、自らが依存してきたテレビから無慈悲な仕打ちを受け、
 数ヶ月も経てば、「あぁ、そんなこともやってたね」、数年も経てば、「誰?それ?」みたいに、跡形もなく情報消費されていることでしょう。0xF9CA

〔関連情報〕
   ・子供に見せられない議論の仕方
   (2006年3月24日:ITmedia +D blog)
   ・タレント学者の罪
   (2006年4月1日:ITmedia +D blog)
   ・「神の見えざる手」では。。。
   (2006年4月17日:ITmedia +D blog)
   ・通信・放送懇が最終報告・松原座長「十分議論できた」
   (2006年6月6日:Nikkei Net IT+Plus)
   ・規制改革会議と竹中懇が公開討論,NTTやNHK問題で方向性一致
   (2006年6月5日:NikkeiBP ITpro Network)
   ・通信・放送懇が最終報告、活性化にアメとムチ
   (2006年6月6日:asahi.com)
   ・NTT再々編:通信・放送懇提案に自民は反発強める
   (2006年6月6日:Mainichi Interactive)

2006/06/04
[ Car, Movie ]

 この方がどなたであるか、もはや説明は不要でしょう。現代のBMWデザインの総帥、クリス・バングル氏が、各モデルのキャラクタリスティクスを、詳細に解説しています。

 このPVを見るまでは、寡黙な方なのかなぁ、と思っていたのですが、大きな間違いでした。0xF9C7

 同氏にとっては思い入れの作品たち(可愛い子供たち?)を、身振り手振りで、時には分かりやすい効果音(?)で、熱く語っています。
(やっぱり、アメリカ人だなぁ、と)

 また、モデルに合わせて微妙に服装を変えているところが、とってもオシャレだったりします。0xF995

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 余談です。

 サブタイトルのパチリは、「ツァラトゥストラはかく語りき」です。

 「ツァラトゥストラ」とは、ゾロアスター教(拝火教)の開祖、「ザラスシュトラ」をドイツ語読みすると、こう発音するそうです。

 原題は、「ツァラトゥストラはこう言った」だそうですが、なんだか有り難みがなくなってしまうので、文語チックな和訳の方が良さそうですね。0xF9C7

 さて、今日はベルリン・フィルでも聴きながら運転しますか。

〔関連情報〕
   ・【映像】BMW Vehicle Design ~What's your philosophy?~