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耕運機サウンドの追求(3) - 回路解析っ!!

 前回の続きです。

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 「Porsche Sport Exhaust System」(以下、PSE)の動作を制御するための、「Combined Switch」(コンバインドスイッチ)です。

 品番は「997.613.563.01.A05」、価格は「71.70ユーロ」(約9,130円、輸送費除く)でした。

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 この、「マフラーのアイコンが描かれたスイッチ」(だけ)が欲しかったのです。

 で、世の中には、「PSEコントロールキット」なるモノがあり、手元のリモコンでPSEの制御をカットし、“常時爆音化”できるパーツがあるようです。

 しかしながら、少しばかりの電気の知識さえあれば、そんなパーツに大枚をはたく必要はありません。0xF9D1

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 「コンバインドスイッチ」のブロックダイヤグラムです。

 A10ピンは、DMEのD6ピンに接続される「青」(BU/BU)線、A11ピンは、DMEのD17ピンに接続される「灰/緑」(GY/GN)線です。

 また、A3ピンは+12V(イグニッション)線、A2ピンはGND線、A1ピンはイルミネーション線と読み取ることができます。

 これにより、「コンバインドスイッチ」内にあるPSEのスイッチ(以下、PSEスイッチ)を、ソレノイドバルブの動作と連動させたければ、単純にA10ピンをソレノイドバルブのA1ピン(またはA2ピン)に接続すれば良いことになります。(ソレノイドバルブは無極性のため)

 しかし、そうは問屋が卸しません。0xF9C5

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System
(PSEスイッチのLEDを、強制的に点灯させています)

 まずは、スイッチの“動作(種類)”の問題です。

 PSEスイッチの種類は、「プッシュスイッチ」で、スイッチを押した時のみON(回路が導通)になる、「モーメンタリ」動作をしています。

 一方、PSEスイッチの左上には、オレンジ色のLEDが仕込まれており、PSEの動作状態を確認することができますが、PSEスイッチを一度押すとON(LED点灯)、もう一度押すとOFF(LED消灯)という、「オルタネイト動作」をします。

 ここで、前述のブロックダイヤグラムを見ると、PSEスイッチそのものの開閉状態と、PSEスイッチに仕込まれているLEDの点灯状態とは、連動している訳ではなく、独立しています。

  すなわち、一見、PSEスイッチを押すことにより、PSEの動作をON/OFFしているように見えますが、実際には、PSEの動作そのものはDMEによっ て牛耳られており、DMEが「動作させても良い」と判断した時のみ、ソレノイドバルブを閉塞し、LEDを点灯させているのです。

 余談ですが、なぜそれが分かったかというと、以前に「PDKパドルシフトの取付」を行った際、作業前にバッテリーターミナルを外したことから、一時的に、オンボード・コンピュータに「PSM故障」というメッセージが表示されたことがありました。
(しばらく走行し、各種センサーがリセットされることにより、このエラーはキャンセルされます)

 この「PSM故障」となっている状態では、「コンバインドスイッチ」内にあるあらゆるスイッチ(例えば、SPORTモードスイッチ)を押しても、その要求は受け付けられませんでした。(もちろん、LEDも点灯しません)

 エンジンやシャシーに関わる故障が発生している場合には、DMEが「セーフモード」に入り、動力性能を変化(増加)させる方向の要求は、受け付けないようになります。

  すなわち、「コンバインドスイッチ」内の各種スイッチは、それらに対応する機能を直接ON/OFFしている訳ではなく、DMEに要求を送った結果として、 DMEが許可した時のみ、それらに対応する機能が動作し、(DMEからの信号により)LEDが点灯していることになります。

#まぁ、わざわざこんなに小難しく書かなくても、当たり前と言えば当たり前ですが。

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System
(ソレノイドバルブの動作電流を測定中)

 つづいて、スイッチの“接点容量”の問題です。

 ソレノイドバルブは、ドイツのPierbrug社のもの(品番:「7.22280.04」)ですが、動作時の電流を測ったところ、510mA程度ありました。
(電磁コイルによる誘導性があるため、動作開始時は、1A近い電流が流れることでしょう)

 これだけの動作電流を持ったものを、PSEスイッチ(「コンバインドスイッチ」内にある小型のスイッチ)で開閉しようものなら、一発でお釈迦になってしまいます。

 これらにより、「コンバインドスイッチ」内にあるPSEスイッチを活かし、PSEの動作を制御するためには、以下のような要件が求められます。

  1. PSEスイッチの押下により「オルタネイト動作」し、PSEの動作状態に応じてLEDを点灯させること
  2. PSEの動作(ソレノイドバルブの制御)にあたっては、1A程度の回路を安全に開閉できる接点容量を持っていること

 ということで、「HIDフォグランプの取付」の時と同様、新たに制御用の回路を設計することとします。

(つづく)

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