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Water-Cooling Archive
2012/02/05

 前回の続きです。

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 今回の主役である「Aquagate Max」です。内蔵されていたポンプを、「DP-600」から「DP-1200」に強化してあります。

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 リザーバーには、内部照明用として、φ5mmの緑色LEDが2ヶ所に付いています。これらを、PCファンの時と同様、日亜化学の「NSPG500DS」(180円/個)に付け換えてみました。

 もともと付いていたLEDを、わざわざ日亜化学のLEDに換えたのは、色相の統一を図るためです。

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 水冷システムを稼働させる前に、下準備をします。蒸留水で、水冷ブロックやラジエーター、チューブの内部を洗浄するのです。あわせて、水漏れがないかどうか、チェックします。

 左側は、下準備のために使う蒸留水(コンタクトレンズ用の精製水)です。薬局やスーパーなどで、100円程度/500mLで入手できます。

 右側は、本番で使うクーラント(「EK-Ekoolant UV Lime GREEN」、6.98ユーロ/1L)です。蒸留水で希釈せず、そのまま使うタイプです。UVリアクティブで、紫外線を当てると淡く発光します。

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 Aquagate Maxの天板に、クーラントの注入口があります。クーラントをこぼさないよう、漏斗を使って慎重に注入します。

 今回の水冷システムでは、クーラントは1Lほど必要でした。

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 まずは蒸留水を注入して、24時間程度、試験運転します。

 試験運転の際には、マザーボード等には電源を供給せず、ポンプにのみ電源を供給するようにします。
(「ATX電源検証ボード」を使って、電源ユニットだけONにします)

 水冷ブロックとフィッティングの繋ぎ目などから水漏れしていないかどうか、慎重にチェックします。万が一、水漏れが発見された場合には、直ちにポンプを止め、マザーボード等に被害が及ばないよう養生します。

 ということで、試験運転したところ、問題発生っ!!0xF9FC

2012/01/29

 つづいて、温度センサーを組み込みます。

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 左側は、「Aquagate Max 限定版」付属の温度センサーです。

 以前にも書いたとおり、今回の水冷システムでは、チューブのサイズを、内径3/8インチ(9.5mm)から内径1/2インチ(12.7mm)に変更しているため、付属の温度センサーは使えません。

 そこで、右側のPhobyaの「Temperature Sensor In/Outer Thread G1/4」(12.99ドル)を購入しました。パイピングの途中にあるフィッティングに割り込ませるタイプの温度センサーです。

 なお、市販されている温度センサーには、25℃で10kΩを示すタイプと、25℃で50kΩを示すタイプとがあります。よって、コネクタの形状が合うからといって、そのまま単純にコントローラーに接続したのでは、正常に温度が検出できないことがあります。

 テスターを使って、Aquagate Max付属の温度センサーを確認したところ、10kΩのタイプでした。また、「Maximus IV Extreme」付属の温度センサーも、10kΩのタイプでした。

 都合の良いことに、どちらのコントローラーに繋いでも、正常に温度を検出することができそうです。
(温度センサーをマザーボードに接続して、付属のツール類で確認した方が、細かなコントロールができそうなので)

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 こんな感じで、PCIスロットのところに、専用のブラケット(「BKT-PCI-G」、10.99ドル)を挟んで、そのフィッティングの途中に割り込ませることにしました。

 クーラントが、CPUやグラフィックカードを巡回して最も暖まった状態の温度と、ラジエーターを巡回して最も冷やされた状態の温度とを、1ヶ所で測定することができます。

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 ラジエーターをセットすると、こんな感じになります。

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 ラジエーターとPCケースとの間です。

 アールがきついので、チューブが潰れてしまわないように、「折れ防止コイル」(「SPR-13GN」、2.99ドル)を入れて保護してあります。

 この折れ防止コイル、「こんなアイデアもあったのか!」と感心してしまいました。

 チューブは、何も付けていない状態だと、アールがきつくなるに従って潰れていく(断面が楕円形になっていく)のですが、この折れ防止コイルを付けると、ほぼ真円を保ったまま曲げることができます。

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 製作開始からだいぶ時間が経ってしまっていますが、徐々に完成に近付いてきました。

2012/01/29

 前回はマザーボード周りでしたが、グラフィックカードにも水冷ブロックを組み込みます。

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 「ENGTX580/2DI/1536MD5」を分解したところです。上にあるのが、純正のヒートシンクです。

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 CPU周りの時と同様、サーマルパッドのカスが残っている場合があるので、丹念に脱脂しておきます。

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 水冷ブロックの裏側です。

 インストレーションマニュアルには、「サーマルパッドを、MOS FET等の大きさに合わせてカットするように」と書かれていますが、数10個もあるチップに合わせてちまちまとカットしていたのでは、日が暮れてしまいます。

 そこで、補修用として出ているサーマルパッドを追加購入して、リボン状に切り出し、写真のように貼り付けました。

 サーマルパッドには、3種類の厚み(0.5mm、1.0mm、1.5mm)のものがあり、場所に合わせて(チップと水冷ブロックとの隙間に応じて)使い分けます。

 貼り付ける位置と大きさは、グラフィックカード上のチップと水冷ブロック上の凹凸とを“にらめっこ”しながら、チップを十分にカバーできるところとします。

 貼り付ける際には、鏡面加工されている金属面に傷や指紋を付けないように気を付けるとともに、サーマルパッドと水冷ブロックとの間に空気が入らないよう、細心の注意を払って貼り付けます。
(少しでも空気が入ってしまった場合には、根気よく、いったん剥がして貼り直します)

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 水冷ブロックを取り付けたところです。

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 「ENGTX580/2DI/1536MD5」は、PCIスロット2枚分の厚さがありますが、水冷ブロックを組み込むことにより1枚分の厚さになります。

 純正で取り付けられている2枚分の厚さのブラケットを、1枚分の厚さのブラケット(「BKT-VD004P」、9.99ドル)に交換しておきます。

2012/01/08

 水冷ブロックが届いたので、さっそく組み込むことにします。

 まずは、マザーボード用の水冷ブロックから取り付けます。インストレーションマニュアル(英語版)に基づいて、純正のヒートシンクを取り外します。

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 これが、不具合のあったチップセット(サウスブリッジ)です。

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 これは、CPU周りのMOS FETです。全部で10数個あります。

 純正のヒートシンクを外した後に、サーマルパッド(熱伝導シート)のカスが残っている場合があるので、綿棒を使って丹念に脱脂しておきます。

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 マザーボード用の水冷ブロックと、CPU用の水冷ブロックを組み込んだところです。

 CPU用の水冷ブロックは、IN側とOUT側が決まっているので、チューブを接続する方向を考えて、天地逆方向に取り付けてあります。

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 これを機に、メインメモリを買い増しておきました。4GBのデュアルチャンネルの「DOMINATOR GT CMT4GX3M2A2133C9」が2セットで、計8GBとなっています。

 Windows 7(32bit版)では、4GBまでしか扱えませんが、残りの4GBは、RAMディスクとして使うことにします。SSDとの相乗効果で、“爆速”間違いなしです。0xF9F8

 DOMINATOR GTには、剣山状のヒートスプレッダが付いていますが、水冷ブロックを取り付ける際には、これを外します。
(比較のため、一番奥のメインメモリには、ヒートスプレッダを付けたままにしてあります)

 なお、インストレーションマニュアルには、「サーマルコンパウンド(熱伝導グリス)を、メインメモリの上端部に塗るように」と書かれています。

 しかし、メインメモリの上端部には微妙に段差が付いており、しかも4本もあることから、このまま水冷ブロックを載せても、きちんと接触しない可能性があります。

 そこで、サーマルコンパウンドを塗るのではなく、サーマルパッドを貼って取り付けることにしました。

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 マザーボード用、CPU用、メインメモリ用の水冷ブロックを組み込んだところです。

 LED照明付きのROGのロゴは、純正のヒートシンクから取り外して移植してあります。

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 水冷ブロックを組み込んだマザーボード全体です。

2012/01/07

 なにやら、また届きました。

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 今度は、中欧のスロヴェニア共和国からです。

 「EK Water Blocks」という、水冷パーツを作っているメーカーから、水冷ブロックを個人輸入しました。

#当初は「Koolance」で統一しようとしていたのですが、訳あって変更しました。

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 左側は、CPU用の水冷ブロック、「EK-Supreme HF - EN (Nickel) 」(67.49ユーロ)、右側は、メモリ用の水冷ブロック、「EK-RAM Dominator X4 - EN (Nickel) 」(41.95ユーロ)です。

 メモリ用の水冷ブロックは、一般的なメモリに合う訳ではなく、Corsairの「DOMINATOR」シリーズ専用となっています。
(「DOMINATOR GT CMT4GX3M2A2133C9」を買っておいて良かったです)

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 つづいて、マザーボード用の水冷ブロック、「EK-FB ASUS Max4 Extreme - EN (Nickel)」(107.95ユーロ)です。

 2つのチップセット(ノースブリッジ/サウスブリッジ)のみならず、CPU周りのMOS FETをも冷却できる、フルカバータイプとなっています。

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 こちらは、グラフィックボード用の水冷ブロック、「EK-FC580 GTX+ - EN (Nickel) 」(90.95ユーロ×2)です。

 「ENGTX580/2DI/1536MD5」×2の“ツインターボ仕様”としているため、2セット購入しています。

 今回購入した水冷ブロックには、いずれも「EN」のマークが入っています。これは、耐食・耐磨耗性に優れた「無電解ニッケルメッキ」が施されたもので、EK Water Blocksの水冷ブロックの中でも、上級バージョンにあたるものです。