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コンデンサーチューン「熱雷電」の製作
'03/07/13初版,'03/07/23更新

[注 意]

 ここで紹介するDIYは、バッテリーに容量の大きな蓄電機能を付け加えるため、車種や車両の個体差によっては、アイドリングが不安定になったり、エンジンブレーキが利きにくくなったりするなど、不具合や不都合が発生する可能性があります。
 ここで紹介する情報に基づいて改造を行った結果、万が一何らかの事故や損害等が発生した場合でも、当方は一切の責任を負いません。改造を行う場合には、全てご自分の責任で行ってください。

[はじめに]

 「トルマリンチューン」に引き続き、またもや怪しい改造に手を出してしまいました。0xF9C7

 ただし、 最初は、いわゆる“マユツバ系チューン”のひとつかと思っていたのですが、実際のところ、予想以上の効果にたいへん驚いています。体感的には、アーシング以上の効果があったのではないかと思います。

 ここでは、“洗車大魔王♪”こと「sogo」さんからいただいた情報を元に、実際に実験を行った結果についてご紹介することにします。

(実際に手ぇ動かして実験もしてないくせに、机上の空論だけで(先入観だけで)否定的見解たれるのは止めましょう。)

[蓄電システムについて]

 まずはじめに、正直に白状します。

 今回のDIYは、某社製品のパクリです。ただし、某社の製品は、「独自の蓄電システム」とのことですが、工房の作品は、「普通の蓄電システム」です。

 したがって、某社の製品とまったく同じ効果が得られるとは限りませんので、ご注意ください。(まったく同じ部品を使っていたとしても!)0xF9C7

 製作にあたっては、「某社の製品を分解してしまった方」のHPを参考にさせていただきました。
(検索エンジンで、[(某社製品名) 分解レポート]で検索すると出てきます。)

 つぎに、「若いヤツは、まず名前から入るんだよなぁ!」(古ぅ)ということで、今回の作品の名称を決めておくことにします。

 分かりやすい名前ということで、「ちょっとイナズマ」とか「ホットいかさま」とか考えましたが・・・、止めました。

 最終的に、「熱雷電」(“あつらいでん”と読む)とすることにしました。別に名前に意味はありません、単なる思い付きです。0xF9C7
(「熱稲妻」だとバレバレなので、止めておきました。ちなみに、今後は「熱配線」や「熱接地」など、シリーズ化していく予定です。)(ウソ)

 さて、冒頭、「普通の蓄電システム」と書きましたが、「熱雷電」は“システム”などという大層なものは実装していません。単純に、複数のコンデンサーをバッテリーに並列に接続しているだけです。0xF9C7

 某社の製品には、走りのステージに合わせて、「高回転タイプ」と「低・中回転タイプ」があります。さらに、すべての回転域をカバーする「マルチタイプ」があります。

 某HPの分解レポートによると、エンジン回転数の低い領域は、容量の小さいコンデンサー(470μF)、回転数が高い領域は、容量の大きいコンデンサー(4,700μF)が受け持っているようです。
(両方の領域をカバーするものは、大小両方のコンデンサーが付いています。)

 なぜに、低回転では容量が小さくて、高回転では容量が大きいかというと・・・、分かりません。

 職人は、電気電子工学を専攻していましたが、コンピューターばっかりやっていたため、アナログ回路はからきしダメです。0xF999
(「シャノン」さんとは仲良くなれましたが、「キルヒホッフ」さんや、「テブナン」さん、「ノートン」さんとは、お友達になれませんでした。)
(ちなみに、「テブナンの法則」は、正確には「鳳・テブナンの法則」といいます。そう、鳳先生という方が発見された法則です。日本人は、もっと自信を持ちましょう!)

 電気に詳しい同期に聞いたところ0xF9C7、「容量の大きいコンデンサーは周波数の低いノイズを吸収し、容量の小さいコンデンサーは周波数の高いノイズを吸収する」そうです。
(そういえば、そんなことを習ったような。たしか「電気工学実験Ⅰ」で、バンドパスフィルタの設計をした時に出てきたような気が・・・。)

 かすかに残っている記憶では、 f = 1 / 2π√LC だった、かな?
(しかも、「エフ・イコール・ニーパイルートエルシーブンノイチ」と呪文のように覚えているだけです。)0xF9C7

 この記憶が正しいとすれば、たしかに静電容量C(キャパシタンス)が大きいと周波数fが低くなり、静電容量Cが小さいと周波数fが高くなりますね。
(って、をいをい、そんな程度かよ! 修了資格剥奪!)0xF9C7

 とすると、前述の分解レポートにおけるエンジン回転数とコンデンサーの容量の関係から、エンジン回転数が低い領域は周波数の高いノイズを吸収し、エンジン回転数が高い領域は周波数の低いノイズを吸収すると、特性が改善されるようです。

 う~ん、よく分かりません。
(関係が逆のような気がしますが。)

 冗談はさておき、某社の製品とまったく同じものを作っても面白くないので、少し工夫してみることにします。低中回転域の特性改善をもう少し出すことを狙って、1,000μFのコンデンサーを追加してみます。

[図面1]
condenser_fig01.jpg
  • 「熱雷電」の回路図です。(図面1)
    (わざわざ回路図を起こすほどのものでもありませんが。)0xF9C7

[材料の調達]

 それではまず、「熱雷電」の材料を揃えます。いつものように、秋葉原を散策しつつ、調達しました。

[写真1]
condenser_tune01.jpg
  • 今回購入した部品です。(写真1)
     
    品 名規格・仕様等必要数単 価備 考
    電解コンデンサー4,700μF1個370円25V
    耐熱温度105℃
    1,000μF1個130円
    470μF1個90円
    プラボックス75×50×301個180円超耐熱性ABS
    ユニバーサル基盤42×72×1.21個145円ガラスエポキシ
    ヒューズ30A1個20円DC32V
    ヒューズホルダ30mm1個80円AC250V 10A
    メガネ端子5.5-6φ2個100円/5個 
    5.5-4φ2個100円/5個
    端子キャップ4個50円/5個青×2, 赤×1, 黒×1
    ラグ端子2個10円 
    なべネジ, ワッシャー,
    スプリング, ナット
    M4×6mm2組20円/1組 
    OFCパワーケーブルTPC10 BL0.6m×2本480円/maudio-technica
    耐熱温度106℃

 部品原価は、パワーケーブル等すべて含めて、2,000円ちょっとです。

[部品の実装]

 さっそく、部品を実装します。めちゃめちゃ簡単です。ゆっくり作っても、2時間もあれば余裕でできてしまいます。

[写真2]
condenser_tune02.jpg
  • 部品を実装したところです。(写真2)
 
[写真3]
condenser_tune03.jpg
  • 裏側です。(写真3)
  • 導体部分を稼ぐため、配線は、できるだけコンデンサーのリード線を使います。
  • リード線が足りない分は、0.8φのスズメッキ線を使って延長します。
 
[写真4]
condenser_tune04.jpg
  • できあがりです。(写真4)
    (完成品にはフタが付きます。)
  • 写真では分かりにくいのですが、本体の大きさはクレジットカードより少し小さいくらいで、非常にコンパクトです。
    (某社製品のような、無意味なヒートシンクとかありませんから。)0xF9C7
  • ちなみに、基板裏側のリード線の太さを見ていただければお分かりになると思いますが、バッテリーへの接続には、こんなに太いケーブルは必要ありません。
    (単なる見掛け狙いです。)0xF9C7

[車体への取付]

 取り付けも、めちゃめちゃ簡単です。端子キャップの赤い方をバッテリーの+端子に、黒い方を-端子に接続するだけです。

[写真5]
Now Making
  • バッテリーに取り付けたところです。(写真5)
  • 本体は、バッテリーの側面に、両面テープで貼り付けました。

[インプレッション](その1)

 むむっ、これはすごいっ!0xF8F2

 走り出した瞬間には分かりませんが、しばらく走り込むと、これまでの走りとは確実に違うことが、ジワッと分かってきます。
(よく、「走り出した瞬間に」などというインプレがありますが、職人は、そういういい加減な(無責任な)インプレは、たいがい信じません。)0xF9CA

 走り込む距離ですが、数10km程度というところでしょうか。ECU(エンジン制御コンピュータ)が燃調を学習し直すのか、ECT-iE(電子制御オートマチック)が変速タイミングを学習し直すのか、あるいは他に原因があるのかは、分かりません。

 明らかに違いが分かる点は、つぎの2点です。
(それぞれの詳細については、後述することにします。)

  1. 停止時からの立ち上がりが身軽になった。
  2. エンジンブレーキの効きが弱くなった。
    (というか、惰性走行時の速度の下がり方がゆっくりになった、という方が近いかも知れません。)

 また、アンダーパスやオーバーパスなどの緩やかなスロープを登って行く時も、これまでのアクセル開度より少なくて済むような感じがします。

 定性的にしか言い表すことができませんが、低中回転域のトルク感が確実に増しています。
(ただし、この違いは、いつもアクセルを“ベタ踏み”しているヒトには分からないと思います。いつも車の挙動に気を配る運転をしていないと!)

 わずか「2,000円ちょっと」の投資で、これだけの特性改善が実感できるなんて、ほんと、すごいですっ!0xF9CF

[改良版の製作]

 予想以上の効果に気を良くし、改良版を製作してみました。題して、「熱雷電・豪華V8仕様」。

 中高回転域の特性改善を狙って、前述の作品に、2,200μFのコンデンサーを追加しました。さらに、効果を高めるために、それぞれの容量のコンデンサーを、2個ずつに増強しました。

 これにより、片バンクのシリンダー容量が8,370μF(4,700μF+2,200μF+1,000μF+470μF)、合計16,740μFという、マイバッハ顔負けの大排気量となりました。0xF9C7

[写真6]
condenser_tune06.jpg
  • 改良版です。集積度が少し上がりました。(写真6)
     
    品 名規格・仕様等必要数単 価備 考
    電解コンデンサー4,700μF2個370円25V
    耐熱温度105℃
    2,200μF2個200円
    1,000μF2個130円
    470μF2個90円

 部品原価は、すべて含めて、3,000円ちょっとです。

 ちなみに、フューズの容量ですが、30Aだと怖いので、15Aに下げました。
(この回路に30Aも流れたら、焦げます、熔けます、燃えます!)

[写真7]
condenser_tune07.jpg
  • 裏側です。(写真7)
 
[写真8]
Now Making
  • プラボックスをゴールドに塗ってみました。(写真8)
    (いえ、別に意味はありません。)0xF9C7
 
[図面2]
condenser_fig02.jpg
  • いちおう、「熱雷電・豪華V8仕様」の回路図です。(図面2)

 ところで、なぜに、2,200μFなのかって?

 そんなこと聞いちゃいけません、分からないのですから。0xF9C7
(フィーリングです、フィーリング!)

 理由はただ一つ。市販の電解コンデンサーの規格が、1,000μF, 2,200μF, 3,300μF, 4,700μFとなっているからです。
(3,300μFだと、大きすぎて、これ以上基板に乗りません。)

[インプレッション](その2)

 むむっ、すごすぎるっ!0xF8F2

 しばらく走り込むと、前述の2点に加え、新たに2点の違いを実感することができました。また、1.と2.については、効果がより強まったように感じられました。

  1. 停止時からの立ち上がりが身軽になった。(再掲)
    いつもと同じアクセル開度でスタートダッシュしても、自分のイメージよりは、一等身分、前に出られているような感じがします。
  2. エンジンブレーキの効きが弱くなった。(再掲)
    というか、惰性走行時のスピードの下がり方がゆっくりになった、という方が近いかも知れません。
  3. アイドリング時の僅かな揺らぎが無くなった。
    エンジン始動直後など、エンジンが暖まっていない状態では、アイドリングの回転数が僅かに“ゴロゴロ”と揺らぐようなことがありますが、この揺らぎが無くなりました。
  4. シフトチェンジ時の繋がりが滑らかになった。
    オートマチックのシフトアップ/ダウン時の変速ショックが小さくなりました。同時に、エンジンの回転数の動きが、全体的に滑らかになったように感じられました。

 特に違いが感じられるのは、2.の「惰性走行時」の挙動です。

(以下、編集中です)

 空気抵抗や転がり抵抗によって、徐々に減速してはいくのですが、その下がり具合が非常にゆっくりになったように感じられます。

[さらなる改良版の製作]

 調子に乗って、さらなる改良版を製作してみました。題して、「熱雷電・超豪華V24仕様」。

 低回転域の特性改善を狙って、前述の作品に、330μFと220μFのコンデンサーを追加しました。さらに、効果を高めるために、コンデンサーの容量に合わせて、2~6個ずつに増強しました。
(コンデンサーの容量が小さくなるにほど、数を多くしました。)

 これにより、片バンクのシリンダー容量が22,980μF、合計45,970μFという、船舶並みの大排気量となりました。小型バッテリーのような容量になってしまいましたが、はたして効果はあるのでしょうか?
(作ってる本人も、自信ありません。)0xF9C7

[写真9]
condenser_tune09.jpg
  • さらなる改良版です。基板が少し大きくなりました。(写真9)
    (といっても、某社製品の大きさと、やっと同じぐらいですが。)
     
    品 名規格・仕様等必要数単 価備 考
    電解コンデンサー4,700μF2個370円25V
    耐熱温度105℃
    2,200μF2個200円
    1,000μF4個130円
    470μF4個90円
    330μF6個80円
    220μF6個70円

 部品原価は、すべて含めて、4,000円ちょっとです。

[写真10]
condenser_tune10.jpg
  • 裏側です。(写真10)
 
[写真11]
Now Making
  • プラボックスをカーボン調にしてみました。(写真11)
    (いえ、別に意味はありません。)0xF9C7
 
[図面3]
Now Making
  • いちおう、「熱雷電・超豪華V24仕様」の回路図です。(図面3)

 下手に電気に“お詳しい”方の中には、「単純にコンデンサーを並列にしたって、容量が増えるだけだから、電気的に意味無いだろ!」と仰るかも知れませんが、そういうものではありません。

 そういう硬直した発想のところに、技術革新など生まれません。何事も、「試しにこしらえてみる」ところに、大きな意味があるのです。
(効果が無くても、コンデンサー1個数10円の世界なので、ゴチャゴチャ言わない!)(笑)

[インプレッション](その3)

 「とっ、停まらな~い!」0xF8F2

(まだ編集中です)

[おわりに]

 今回のDIYにあたり、有益な情報をご提供いただきました「sogo」さん、たいへんありがとうございました。

[おまけ]

 さっそく、「よしき」さんが製作されましたので、その作品をご紹介します。

[写真12](写真提供: よしきさん)
condenser_tune20.jpg
  • 「よしき」さん製作の「熱雷電・豪華V8仕様」です。(写真12)
  • すばらしい仕上がりです!
  • 鈍く光るポリッシュドアルミが、熱い走りを予感させます。
    (プラシーボ効果120%って感じですね。)0xF9C7
 
  
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